痩せる薬の効果と危険性

痩せる薬を飲めば手軽に痩せられる、と容易に考えると痛い目に合います。痩せる薬はダイエットサプリとは違い、体に(副作用も含めて)薬物的な作用を及ぼすからです。

代表的な痩せる薬の成分であるゼニカル、シブトラミン、マジンドールの効果と副作用を詳しく解説します。

なお、ここで解説する痩せる薬は、ダイエットサプリのことではありません。

痩せる薬は風邪薬や頭痛薬のような薬物的な作用を体に及ぼす「薬」(例えばゼニカルなど)と定義し、ダイエットサプリは「普通の健康食品の一種」(例えばL-カルニチンなど)であると定義しています。

ゼニカルは脂肪の吸収を抑制

ゼニカルが痩せる薬である理由は脂肪の吸収を阻害するからです。脂質分解酵素のリパーゼを阻害し、食事で摂取した脂肪の吸収を抑制させることで脂肪を便として排出させます。

食事で摂取したカロリーに関して、脂肪の摂取カロリーを減らせるから痩せるわけです。

ただ、ビタミンには脂溶性ビタミン(例えばビタミンAなど)があり、脂溶性ビタミンは油に溶けることで初めて体に吸収させることができるという特徴があります。

ゼニカルを摂取して脂肪の吸収が抑制されれば、その分だけ脂溶性ビタミンの吸収率が低下します。これがビタミン欠乏症を招く可能性があります。

ゼニカルと同一成分の痩せる薬には、オルリスタットとアライがあります。オルリスタットもアライもゼニカルと同じものですが、販売会社が異なるため商品名も異なっています。

また、ゼニカルはアメリカでは薬として承認されていますが、日本では未承認の薬です。よって、個人輸入の非正規のルートでしか手に入れることができません。

未承認の薬であることが何を意味するのかというと、万が一、何らかの健康被害が引き起こされた場合も救済処置を受けることができないということです。

ゼニカルは、アメリカのFDAの調査では、肝障害の事例が32例報告されています。

この肝障害の事例により、日本の厚生労働省ではゼニカル(オルリスタット、アライ)の個人輸入について注意喚起がなされています。

また、実際にゼニカルを飲んだ人の口コミによれば、これを飲むと「おならをしたつもりが便が漏れてしまう(=便失禁)」「おもらしするのでナプキンが必須」のようです。

肝障害の健康被害が出るばかりか、日常生活にも支障が出そうです。

シブトラミンは食欲を抑薬

シブトラミンの作用は食欲抑制です。シブトラミンを飲むと食欲抑制作用により食べたい気持ちが減退し、食事の量が減ることで痩せます。

シブトラミンも日本では承認されてない薬なので、個人輸入でしか手に入りません。シブトラミンにも副作用があり、血圧の上昇や心拍数の増加が挙げられます。

またアメリカの事例ですが、心臓への悪影響を原因としてシブトラミンを服用した32名が死亡したという報告があります。

マジンドールも食欲抑制剤

マジンドールという痩せる薬の名前を聞いたことがあるかもしれませんが、これもシブトラミンと同様に食欲を抑制する作用があります。

マジンドールは日本で多数の健康被害を引き起こした、中国製ダイエット食品の「天天素」に配合されていた成分です。

マジンドールの副作用としては、薬物依存性(覚醒剤と類似する作用があるため)、肺高血圧症、悪心・嘔吐、睡眠障害、胃部不快感などが挙げられます。

痩せる薬のネット通販が危険な理由

ネット通販で痩せる薬を手に入れた場合、シブトラミンやマジンドールといった副作用がある成分が配合されている場合が多いです。(パッケージに記載がない場合でも)

あえてゼニカルやシブトラミン、マジンドールの商品名を避けて痩せる薬を購入した場合でも、痩せる薬である以上は必ずこれらの副作用を持つ成分が配合されています。

特に中国製のダイエット食品には、「天天素」のように、高確率でシブトラミンやマジンドールが配合されています。

中国製ではない痩せる薬だからといって安心するのも早計です。痩せる薬である以上、どこの国の製品であっても上記のような副作用を持つ成分を必ず含んでいます。

日本国内で未承認の痩せる薬は必ず何らかの健康被害につながります。

なぜなら、国が健康被害の発生を確信しているからこそ(他の国で健康被害事例があった事実を把握しているからこそ)承認しないのです。